忘れられた野原ノベル68話あらすじ・原作小説レビュー

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忘れられた野原
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※未読の方はネタバレにご注意ください

Kakao大人気ノベル「オークの樹の下」のKim Suji先生の新作「忘れられた野原」の連載がピッコマで始まりました!イラストも「オークの樹の下」小説扉絵を担当された千景先生です。2025年12月現在、韓国kakaoサイトにて180話までアップされていて連載中です。ウェブトゥーン化も期待されている作品、ご紹介します。レビューは、韓国でのレビューをまとめております。

ノベルのあらすじと韓国原作のレビューをまとめました。

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忘れられた野原68話あらすじ

タリアは爪のささくれをむしり取った。額の汗がこめかみを伝う。バルカスが彼女の肩を掴み、ゆっくりとこちらへ向かせ、片頬を包み込んだ。どうしても彼の目を見ることができず、視線を彼の顎に落としていると、驚くほど温かく柔らかな唇が口角のあたりににそっと触れては離れた。それは、そよ風のように軽い口づけだった。形式に従っただけの最小限の接触。キスと呼ぶことさえためらわれるほど一瞬だったのに、心臓が細かく刻まれるような感覚に陥った。

司祭がすべての儀式の終了を宣言し、形式的な拍手が響いた。タリアが震える瞳でバルカスを見上げると、何を考えているのか読み取れない無表情な顔がじっと自分を観察していた。執拗な視線でタリアの胸中をかき乱していたバルカスは、やがて客席へ向き直った。タリアはそこでようやく止めていた息を吐いた。

腰を抱き寄せられたまま参列者の間を通り抜けていく。不気味に瞳を光らせるガレス、心乱れた様子の皇帝、満足げなセネビア。無数の影が流れ去ると、雨を降らせる暗い空が目の前に現れた。

礼拝堂の入り口でバルカスは騎士から外套を受け取り、タリアの肩に羽織らせると、片腕で軽々と抱え上げた。タリアは慌てて彼の首にしがみついた。石鹸の香りが漂う柔らかな髪が鼻先をかすめる。彼は片手で彼女の背中を優しく支え、静かに雨の中へと歩き出した。銀色の雨粒が彼の顔を白く覆っていく光景を見つめていたが、やがて陰鬱な影が落ちる庭園へと視線を移した。どこへ行くのかと尋ねると、皇宮の外に仮住まいを用意してあり、東部へ発つまでそこで過ごすとゆったりした足取りでバルカスは答えた。

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タリアは困惑した。セネビアが盛大な披露宴を準備し、皇宮中が大騒ぎだったではないか。客も来ているはずだ。すべてを放り出していいのだろうか。我々はやるべきことはやった、見せ物として残る必要はない、と冷ややかな声がタリアの意識を現実に引き戻した。彼の言う通りだ。体が不自由な私生児の皇女と入れ替わった花嫁。羨望の的から同情の対象へ成り下がった新郎。自分たちがどう言われているかなど想像がついた。バルカスがこれほどの屈辱に耐えなければならない理由はどこにもない。

彼は泥水の道を進み、シアカン家の紋章が刻まれた馬車の前で止まった。軽々と乗り込み、タリアを厚手のシートが敷かれた座席に下ろした。向かい側に腰を下ろしたバルカスは礼服を緩め、疲労の滲む溜息をついた。髪から落ちた雫が額を伝い目元に留まる。濡れていながらどこか乾いた視線がまっすぐ彼女を射抜いた。

足の具合を尋ねられ、タリアの唇が震えた。必要以上に足を気にする彼が鼻についた。片足と引き換えに彼の隣を手に入れたと嘲笑ったガレスの声が耳の奥で響く。わかっている、自分が一番よくわかっている。なのにどうして何度も蒸し返すのかと苛立ちをぶつけると、彼の目元がわずかに細まった。窓の外へ顔を背けたが、濡れた指先がすぐに頭をこちらへ向けさせた。痛みはないのかと硬い声で問われ、一瞬肩をこわばらせたものの荒々しく手を振り払った。

大丈夫と言えば気が済むのか、残念だがあの日以来一日だって痛まなかったことはない、と蜂が毒針を刺すようにタリアは吐き出した。意味のない質問で神経を逆なでしないでほしい、と。自分に触れた温かく柔らかな唇が、冷たく結ばれた。意地悪な言葉で彼の口を封じておきながら、その沈黙に首を絞められる心地がしたのは自分自身だった。それでも同情されるより冷たくあしらわれるほうがマシだった。足がこんな風になってから、四方八方の生ぬるい親切が何よりもおぞましかった。

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出発しないのかとトゲのある言葉を投げると、バルカスは背を向けて、御者台への合図として馬車の壁を軽く叩いた。馬車がゆっくり動き出した。タリアは、白く曇った窓越しに雨の庭を眺めていた。一度として居場所だと思えなかった景色が霞の向こうへ過ぎ去っていく。不意に体が宙に浮き、背中にふかふかとしたシートの感触が伝わった。広い座席に寝かされ、ロエム騎士団の紋章が刺繍されたマントを掛けられた。目的地まで時間がかかるから眠っておけ、と。

振り払おうとした手をバルカスが先に掴み、シートに押しつけた。まだ薬気の抜けきらぬ瞳を見つめ、十代の頃のような荒々しい口調で、意地を張らずに寝ろ、とろんとした目で人の心をかき乱すなとバルカスが言い放った。身をすくませたタリアはやがてマントを鼻先まで引き上げた。バルカスは疲れ切った溜息をつき、向かいの座席に腰を下ろした。なぜだか泣きたい気分だった。タリアは彼の体温が残る衣類に顔を埋め、そっと目を閉じた。

***

馬車が止まった衝撃で目覚めたタリアは、痛む額を押さえて目をこすった。がらんとした車内にバルカスの姿はなく、怯えた表情で視線を泳がせると、外からしわがれた声が聞こえてきた。第一皇女殿下をどうされるのかと問う声に、タリアは窓際へぴたりと身を寄せた。雨の上がった夕空の下、無骨な石造りの建物と十数人の男たちが佇んでいた。夕焼けを背に立つバルカスは淡々と言い返した。何の意図で訊いているのか、と。

本当にあの方を見捨てるのかという問いに、鋭い冷笑が湿った空気を裂いた。そもそも第一皇女との婚約は皇后を牽制するためのものだったではないか、あの二人を守る方法は結婚だけではないだろう、と。詳しく説明するつもりのなさそうな態度に困惑する騎士の言葉を煩わしげに遮り、自分は問い詰められる立場ではないと告げた。

何も変わらない、これまで通り、皇后の動向を監視し続けろ、皇太子殿下が無謀な真似をするなら直ちに報告しろ、と無機質に命じてバルカスは背を向けた。タリアは慌ててシーツに頭を沈めたが、寝たふりをする間もなく馬車の扉が開き、バルカスが姿を現した。タリアは硬直したまま彼を見上げた。

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忘れられた野原68話レビューまとめ

韓国のサイトkakaowebでのレビューを見てみましょう。

幼い頃から過酷な教育を受けて、感情をそぎ落とされたように生きてきたあの子の口から、「心が乱れる」なんて言葉が出たってこと? 状況はめちゃくちゃシリアスなのに、にやけが止まらない

バルカス、タリアのこと大好きすぎでしょ。これでついに結婚したってわけか

もしやタリアが自分とのキスを嫌がっていないか、おどおどと顔色をうかがうバルカス! 結婚式のタリアは、自分がなぜここにいるのか怯えているハムスターみたい。精一杯怒っているのに、それすら可愛すぎる。これまで必死に針を立てていたハリネズミが、自分を大切にしてくれる人たちの傍で、少しずつ穏やかになっていくのを期待しています

ずっと敬語だったのに、感情が高ぶって獣みたいになる時だけタメ口になるの・・・最高。バルカス、やってくれたな

タリアが首にしがみついたら、「彼女の背中をそっと抱き寄せて、ゆっくりと雨の中を歩き出した」バルカス。あのボタン事件の時みたいに、わざとゆっくり歩いてるの? 完全に愛じゃん

タリアのとろんとした目が「心が乱れる」というバルカスの言葉・・・最初はニヤけちゃったけど、読み返してみると切ない。生きる意志が全く感じられない虚ろな目で窓の外ばかり見ているから・・・消えてしまいそうで、だから「心が乱れる」って言ったんじゃないかな? 前の巡礼の道でも、タリアがナイフを持っているのを見て自傷行為かと誤解してましたもんね

心が乱れるんだって、バルカスが。感情を表に出したのはこれが初めてじゃないかな

皇宮はタリアにとって一度も「家」だったことはなかったけれど東方のシアカン城が、タリアにとって唯一の安らげる場所になってほしいです

アイラと婚約したのは皇后を牽制するため。タリアと結婚したのは、愛しているから守るため

バルカスが部下に「いつも通り」皇后の動向を探らせて、ガレスが余計なことをしたら報告しろと言っているのも、実際はタリアに害が及ばないように注視しているように見える

シアカンが密かに帝国からの独立を準備していて、神殿からの洗脳教育やアイラとの結婚も表向きなだけだったとしたら? タリアを守るために領地や軍事など重要なものを差し出して、独立計画を一部延期したり諦めたりしたとしたら? それなら、タリアが「銀の王冠が見える」と言った時に驚いたのも説明がつく

これまでガレスがタリアを叩くたびに、バルカスがどうして毎回現れるのか不思議だったけど、監視させていた騎士がいたからなんですね。「心が乱れる」というのは、タリアが足の痛みのせいで薬に酔っているのが見ていて辛いってことじゃないかな。唇じゃなくて口角へのキスだったのが、もどかしい

タリアが逃げ出さないかハラハラしながら密着ガードして、めちゃくちゃ気力を使い果たしたバルカス。お疲れさま

苛立ちを込めて吐き捨てたけど、言葉通り、タリアは足に大きな怪我を負ってから、本当に毎日痛みに苦しんでいたんだよね・・・

見返しても今回の話は歴代級。バルカスの感情の変化が見えて本当に最高です。「心が乱れる」なんて感情をどうやって自覚したのかが気になりすぎる。「煩わしい」とか「面倒だ」と思うはずなのに、どうやって「心が乱れる」と受け入れたのか・・・

皇宮から遠く離れた場所に仮の新居を用意したのって、タリアを守るためかな?

初夜を迎えなければ、結婚していないのも同然でしょ。バルカスがそんな隙を残すと思う? もう自分の妻で、自分が守る存在なんだから

前の部分を読み返したんだけど、巡礼旅行の雨の日にバルカスがアイラを抱えて行った時は「一瞬で後庭を横切った」と書いてある。でも今回タリアを抱く時は「ゆっくり歩く」・・・。こういうところに明確な差が出てるね。

ずっと話しかけて、無視もせず気にかけて・・・これが愛じゃなきゃ何だっていうの。

じれったくてたまらないけど、第一皇女がどこにいるのか分からなくて不安

バルカスはいつも石鹸と薄荷の香りがしていましたが、今日は結婚式の礼服・・・新しい服だからか・・・薄荷の香りがせず、石鹸の香りだけするみたいですね。タリアの言葉ひとつひとつを気にするバルカスの純情にやられる

タリアを成長させてあげてください。一体どうやったら成長できるのか、今のところ見当もつきません

タリアが今まで知らないでいたことがどれほど多かったか、想像もつかない。ついに危険な陰謀の巣窟から抜け出すんだね

これからは「タリアに狂った男」の姿をたくさん見せてくれるのを期待しています

わたしの感想◎雨の描写は静かで美しく、馬車はふかふかにされているし、すべての行動や言葉にバルカスのタリアへの心を感じる

まとめ

忘れられた野原 あらすじと韓国原作ノベルレビューをまとめました

67話

69話

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