※未読の方はネタバレにご注意ください
Kakao大人気ノベル「オークの樹の下」のKim Suji先生の新作「忘れられた野原」の連載がピッコマで始まりました!イラストも「オークの樹の下」小説扉絵を担当された千景先生です。2025年12月現在、韓国kakaoサイトにて180話までアップされていて連載中です。ウェブトゥーン化も期待されている作品、ご紹介します。レビューは、韓国でのレビューをまとめております。
ノベルのあらすじと韓国原作のレビューをまとめました。
忘れられた野原74話あらすじ
彼は首をひねった。壊れた感覚が時折誤作動を起こす。耳鳴りが収まるのを待ち、女を追い越して天幕に入った。一晩中焚かれた薬草の苦い煙に混じり、腐り落ちる直前の果実のような甘い匂いが漂っていた。いつからか彼女の肌から漂い始めた匂いだ。彼は一瞬息を止め、ゆっくり空気を吸い込んでから、静かに彼女の名を呼んだ。「タリア」
返事はなかったが、気配は感じ取れた。散乱する器や酒瓶の間を進み、乱れた寝台の脇に積まれた衣類を見て足を止めた。幕舎の隅の長持の前でかがみ、蓋を開けると、丸まって座り込む小さな人影があった。再び、身体が奇妙な反応を引き起こした。馬の蹄でみぞおちを蹴られたような衝撃が走る。ざわつく心を鎮め、彼女の肩に手を置いた。
膝に顔を埋めていた女が顔を上げた。濡れた睫毛の下から、不純物の一切混じらない純度の高い青い瞳が露わになる。深海に棲む生物のように透き通った肌の上を清らかな涙が伝い落ちていた。彼は湿った頬を包み込み、縮こまった頭をそっと後ろに反らせた。どこかで擦ったのか細い首筋に数筋の傷跡があった。血を含んだような赤い唇から、怪物たちをやっつけたのかと問うかすれた声が漏れた。
水に浸されたような深い青の虹彩が危うげに揺れている。初めてこの目と向き合った日――彼が色彩を取り戻した日、初めて目にした輝きのことを思い出した。
喉の奥が締め付けられ、深く息を吸い込んで強張った体を引き起こした。しなやかで柔らかな腕が、当然のように彼の首に回され、細い泣き声が肌を湿らせる。また連れ去られるかと思ったと、彼女は震える声で訴えた。
バルカスは彼女を抱く腕に力を込めた。二度とそんなことはさせない――舌先まで出かかった言葉を、再び喉の奥へ飲み込んだ。あのアクシデント以来、彼は彼女の前で頻繁に言葉を飲み込むようになっていた。飲み込み続けた言葉は腹の底に堆積物のように積み重なり、内臓を圧迫する。彼は断続的に震える背中を撫で下ろした。こわばった体が少しずつ解け、しなだれかかってくる。肩に預けられた頭を離すと、脱力して閉じられた目元が見えた。親指で垂れた金のまつ毛に触れてから、ずり落ちそうな体を抱き直して外套を取り、彼女に被せて外へ出た。
キャンプ地を急ぎ足で横切ると、騎馬戦士たちが好奇の視線を送ってきた。彼は外套を彼女の頭の先まで引き上げた。男たちは彼女の身長が5クベット(約150センチ)に満たない頃から飢えた視線を注ぎ続けてきた。そしてこの女は時折その前で無防備に身をさらすことがあった。自らの幕舎で彼女を横たえると、痩せ細った体が目に入った。忌々しいことに、そのやつれた姿が美しさを危うい方向へ駆り立てていた。タリアの首筋に視線を滑らせていたバルカスは、ふと幕舎の入り口に目を向けた。若い従者が彼女を盗み見ているのに気づき、死に体だった神経が、鋭く逆立った。全員下がらせて入り口を閉ざした。
だが、それはあまり名案とは言えなかった。幕舎が彼女の甘い香りで満たされてしまった。喉が焼けるような渇きに生唾を飲み込む。前髪をかき上げ、涙の跡がこびりついた青白い頬が網膜に焼き付いた。数年前、彼女が恐怖に怯えながら語った言葉が脳裏に響く、あの男が言っていた・・・中毒のように何度も求めずにはいられないって・・・と。彼は頬の内側を噛み締め、外套を手に取って外へ出た。
血の臭いが甘い香りを消し去った。武装を終えたバラカンが歩み寄り、準備が整ったと報告した。バルカスは一時間後に出発すると告げた。バラカンは面白がるような笑みを浮かべ、仰せの通りにと応じて去った。バルカスは腰を下ろし、木々の隙間からノルデン平原を眺めた。空気の中に、どこか嗅ぎ覚えのある匂いが漂っていた。いつ嗅いだ匂いだっただろうか。おぼろげな記憶を辿っていると、遠くで狼の遠吠えが聞こえてきた。彼は顔を向けた。悲しげな響きが、森の入り口から尾を引くように長く伸びていった。
***
衰弱した体は長旅に耐えきれず、タリアはずっと熱病にうなされていた。馬車のわずかな振動さえ拷問に等しく、割れるような頭痛にこめかみを押さえていると、外から角笛の音が聞こえた。ふらつく体を起こし窓の外を覗くと、広大な平原が広がっていた。深い緑の草原が果てしなく続き、突風が吹き荒れている。彼女は窓を開け、冷たい風に火照った顔を冷ました。
不意にあそこがカルモールだと声がかかり、彼女はびくりとした。傍らで馬を走らせる男がタイロンと名乗り、先日挨拶したと親しげに微笑んだ。彼女は口を固く結び、警戒の視線を返すだけだった。男は怯むことなく、体調が優れないようだと気遣い、まもなくラエドゴ城に着くと前方を指さした。
地平線の果てに灰褐色の城壁が見えた。タリアがより詳しく見ようと、窓の外へ身を乗り出すと、巨大な岩石を積み上げたような城が現れた。装飾のない厚い外壁が丘の麓を囲い込み、直線だけで構成された大小の城塔や城砦がそそり立っている。彼女は思わずうなじを押さえた。これから生きていく場所があまりにも荒涼として見え、背筋を冷たいものが走った。
忘れられた野原74話レビューまとめ
韓国のサイトkakaowebでのレビューを見てみましょう。

バルカス、感情めちゃくちゃ豊かじゃん・・・?司祭たちの教育、完全に失敗してるよね

タリアが少女の頃から他の男たちの視線を気にしていたバルカス、初めて色を再認識したのが幼い頃のタリアの瞳、タリアの体臭に渇きを感じるバルカス、タリアの苦しげな叫びを覚えているバルカス。昔からずっと愛してたんだね

だからあんな風に窓を開けていたのか

本当に可憐さの極致だわ、タリア。小さく体を丸めて服をかぶってガタガタ震えている小さな生き物だなんて。不憫で放っておけなくて愛おしくて、バルカスの心臓が持たなかったはずなのに表現できないなんて

護衛騎士時代から、飢えた野犬のような視線でタリアを見る奴らに苛立ちと嫉妬を感じていたんだね。当時は堂々と取り締まれなかったけど、結婚してからは徹底的にガードしてるのかな

タリアが当然のようにバルカスの首に腕を回すのも好き。考え事が多い時はバルカスの手を避けるけど、一番弱っている時は最も愛するバルカスに触れようとするのが見えて、儚くも切ない

今は病弱な美しさが際立って一層綺麗になってしまったってことでしょ。バルカスの審美眼はもちろん、表現力どうしたの。男の方が詩人の素質があった

バルカスの心境が理解できた。どこからか甘い香りが漂い続けてみぞおちがギュッと詰まった感じなのに、どこへ行ってもみんなタリアをチラチラ見て、ガレスもタリアを毛嫌いしてるくせに目が離せないほどで。神経のすべてがそこに向かっているのに、タリアは勝手に歩き回るし、歩み寄ったかと思えばツンケンされるし

ある瞬間からタリアから甘い匂いがし始めたのなら、その時からバルカスはタリアを一人の女性として見ていたんじゃないか

「まるで馬の蹄にみぞおちを蹴られたようだった」——心臓が速く鼓動しすぎてそう感じたんじゃないの。

タリア、本当にPTSDがひどいみたい。ワイバーンの事件の後、脚も心もまともな治療を一度も受けられなかったのだから。やっと本当の「家」に着いたのだから、少しずつ癒やされていくことを願う

戦士たちの好奇の目は、ヒロインが綺麗だからじゃなくて、感情が去勢された主君が誰かを大切そうに抱えて運んでいるのが珍しくて見ていたんじゃないかな

タリアがバルカスの瞳の中に「銀色の王冠」があると言った後、バルカスがタリアの瞳を見つめた瞬間に色を取り戻したみたい。失った感覚をタリアによって一つずつ取り戻している

タリアが死にかけた時も、バルカスの全感覚が誤作動して立ち尽くしていたのかな。タリアが名前を呼ぶ声で我に返ったと

怪我をする前のタリアだったら怪物が出たと聞くやいなやバルカスのところへ行ったはずなのに。誰も助けてくれないと思って天幕の箱に隠れて震えながら一人で何を考えていたんだろう

セネビアもタリアも、二人とも香りと目で人を魅了する能力があるんじゃないかな。エドリックはタリアから蜂蜜とミルクの匂いを感じて青い瞳に一瞬魂を奪われたし、感覚を失っているバルカスはより敏感に反応している。

タリアにとって生きることは痛みなんだね。短い人生ずっと精神的に辛かったのに今度は肉体的な苦痛まで。バルカスの感情が去勢されたのは、こんなに険しい一生を歩むタリアのそばにいてタリアにだけ感情的に反応するためだったりして

隙あらば何かを被せてあげる「カブセカス」。タリアに何かを被せてあげられなくなったらパニック障害になりそう。

思ったよりバルカスが昔のことをよく覚えていて驚いた。お前もずっと反芻していたんだな。
わたしの感想◎バルカス視点のタリアの美貌がすごい
まとめ
忘れられた野原 あらすじと韓国原作ノベルレビューをまとめました
75話
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