※未読の方はネタバレにご注意ください
Kakao大人気ノベル「オークの樹の下」のKim Suji先生の新作「忘れられた野原」の連載がピッコマで始まりました!イラストも「オークの樹の下」小説扉絵を担当された千景先生です。2025年12月現在、韓国kakaoサイトにて180話までアップされていて連載中です。ウェブトゥーン化も期待されている作品、ご紹介します。レビューは、韓国でのレビューをまとめております。
ノベルのあらすじと韓国原作のレビューをまとめました。
忘れられた野原72話あらすじ
侍女たちが静かに廊下を去り、タリアもその後に続いた。ようやく階段に辿り着いた頃には背中は汗で濡れていた。絶望的な思いで階段を見下ろした時、バルカスが屋敷の中へ大股で入ってくる姿が目に入った。彼はロエム・ナイツの制服ではなく、シアカン家の紋章が刻まれた黒い胸当てに、獣の毛皮の濃灰色の外套を羽織っていた。かつてロビデン大陸全土を恐怖に陥れた、カーン民族の騎馬戦士を思わせるその姿に、心臓が締めつけられた。
階段を一気に駆け上がった彼は、彼女の前で足を止めた。急いできたのか、いつもは整った髪が乱れている。体を屈め、鋭い瞳で見つめながら体の具合を尋ねてきた。タリアは呆然として目をしばたたくばかりだった。冷たく突き放すつもりだったのに、舌先が乾いて動かない。ようやく絞り出した返事は、大丈夫、というひと言だけだった。彼の目がわずかに細められた。大人しすぎる返答に疑念を抱いたようだった。
バルカスが、手袋を脱いで額に手を当てた。タリアは反射的にその手を跳ね除けた。乾いた音のあとに刺すような沈黙が落ちた。ヒリヒリする指先を包みながら彼の顔色をうかがったが、表情は読み取れなかった。急に触るから驚いたのだと、喉の詰まった声でつぶやいた。
白い指先が再び伸びてきた。首をすくめたが、彼は二度目の拒絶を許さなかった。額をそっとなで上げ、コートの結び目を首元まで締め直すと、拒む暇も与えず両腕で彼女を抱き上げた。これからは自分が触れることに慣れてもらわなくてはならない、とぶっきらぼうに言い放った。
タリアの心臓が震えた。どういう意味なのか。期待してはいけない。彼は哀れな足の不自由な者を世話しているだけなのだ。生い茂る未練を急いで踏みにじろうとする彼女を、バルカスはより心地よく抱えなおし、ゆっくりと階段を下りていった。転がり落ちないようにタリアが彼の首に腕を回すと、彼は背中に手を添えて慎重に歩を進めた。
庭園には見慣れぬ男たちが集まっていた。ロエム・ナイツではない。皆、長いハルバード(斧槍)を背負い、黒ずんだ鎧の上にガウンのようなゆったりとした上着を羽織っている。その中の一人が歩み寄り、バルカスの腕の中にいる彼女が次期大公妃かと尋ねた。タリアは慎重な眼差しでその男を観察した。日焼けした小麦色の肌に黒褐色の髪と黒い瞳を持つ若い男で、タイロン・エル・ドラカンと名乗り、タリアに向かって恭しく一礼した。聞き慣れない名の響きから、タリアは彼らがシアカン家の東部の家臣たちだと悟った。
タリアは挨拶を返そうと顔を覆う服の裾を引こうとしたが、バルカスはそれを許さなかった。フードを深く被せ直し、男の横を通り過ぎながら、すぐに出発する、馬を準備しろと命じた。皇宮に立ち寄らないのかと問われると、騎士団の引き継ぎは済んだ、これ以上留まる理由はないと断じた。
馬車の前で立ち尽くす侍従に、早く扉を開けろと促した。車内に乗り込んだバルカスはタリアを座席にそっと降ろし、身なりを整えながら、数時間休まず移動すること、気分が悪くなれば御者に合図するよう告げた。タリアは混乱した様子で彼を見上げた。なぜこれほど急ぐのか分からない。ガレスとアイラの顔が脳裏をよぎった。自分を後悔させてやるというアイラの声が耳に残っている。これまで陰謀を巡らせるのは自分の役目だったが、今や立場は逆転している。アイラが自分の半分でもバルカスを愛していたなら、手段を選ばないはずだ。刺客を送り込むかもしれない。バルカスもそれを懸念して——。
頭の中が回転していることに気づいたのか、彼はそっと彼女の顎を持ち上げ、視線を合わせた。
前にも言ったはずだ、あなたは何も考えなくていいのだと。低く美しい声が催眠のように響いた。彼の意図が分からない。問題を起こさぬよう釘を刺しているのか、それとも——。タリアはすぐに思考にブレーキをかけた。頭の中を散々かき乱しておきながら何事もなく立ち去り、見知らぬ場所に放り出して一週間も顔を見せなかった男だ。意味深な言葉で淡い期待を抱くには、心の溝は深すぎた。
真意の読めない視線が額をなぞる。喉がカラカラに渇ききった頃、ようやく彼は体を起こし、馬車を出て行った。扉が閉まり、タリアは止めていた息を吐き出した。窓の向こうでバルカスが東部の人々と話す姿が見えた。濃い髪色と淡い小麦色の肌の男たちの中で、彼は異邦人のように際立っていた。もしかすると、自分と彼に大きな違いはないのかもしれない。ふと、そんな思いが頭をよぎった。
幼い頃に故郷を離れ、人生のほとんどを皇宮で過ごした彼にとっても、東部は見知らぬ土地だろう。見知らぬ土地へ一人で送り出された幼い少年の姿が浮かび、それは初めて皇宮にやってきた自分自身と重なった。6歳のバルカスも、怪物の腹の中に放り込まれたような不安を感じていたのだろうか。
馬車が動き出した。見覚えがあるようなない風景が流れていく。ふと自嘲の笑みがこぼれた。東部を支配する男を心配している場合か。身寄りもなく見知らぬ土地へ向かい、頼れる者のいない場所で人生をやり直さなければならないのに。もっとも、今までだって頼れる場所などなかった。皇宮も安らげる場所ではなかった。セネビアにとっては便利な道具、皇帝にとっては過去の過ちを思い出させる不快な存在、異母兄弟たちにとっては消すべきシミでしかなかった。。ふと、疑問が頭をよぎる。東の地で、自分はいったい何になるのだろうか。
忘れられた野原72話レビューまとめ
韓国のサイトkakaowebでのレビューを見てみましょう。

タリアの顔を誰にも見られないようにブロックしてるの、マジでウケる

タリアが階段を降りるのが大変だと思って急いで来たの? これぞ愛じゃない~?

バルカスさん、タリアをずっと大事に包み込んで隠そうとするの、地味に面白い

タイロンを見る限り・・・東部の人たちは、なんだかタリアに対する態度が良さそう

結婚したからってもう絶え間なく触りまくってる。会話するたびに顎を持ち上げて目を合わせたり。バルカスの行動、何から何まで気に入った。ツンとした猫みたいなタリアもいい。両片想いが一番面白い

表紙からしてタリアをぎゅっと抱きしめて、読者にさえ顔を絶対に見せようとしない(原作のノベル表紙はバルカスがこちらに顔を向けてタリアをしっかりと抱いている画で、タリアは背中が描かれていて読者からは顔が見えません)
バルカスはどうやらタリアの顔に惚れ込んでるみたい。他人に見せないようにしてる

フードを脱いで顔を出そうとするタリアを阻止する嫉妬の化身バルカス、そしてそれを見守る従者の動揺っぷり

タリアが首にしがみついた時、どれだけ驚いたことか。鼓動の音もすごかったはずなのに、タリアの鈍感者!

東部の人たちは皇宮のスキャンダルや情勢に疎いのでしょうか? タリアに接する騎士の態度に、それほど敵意が見えない。この機会にタリアが偏見の目から逃れられたらいいな

他の騎士たちがタリアの美貌に見惚れないか警戒しているバルカス、可愛い。これまで皇宮でタリアが色んな男たちを虜にしていた時、見るなと叫びたいのを我慢してどれほど歯を食いしばってきたことか

バルカスって、6歳の時に両親と離れて皇都に来たんですか? なぜ東部の後継者だけが連れてこられたの? カーン一族を警戒してのことなのかな

タリアが「シャーッ!」と威嚇しても、東部の人たちがよしよししながら包み込んでくれたらいいな。そうやってタリアが東部に馴染む姿を見て、バルカスが嫉妬してくれたらもっと最高

タリアが「期待するな」と繰り返しながらも、バルカスの言葉一つ一つに意味を見出そうとしているのが、可愛くもあり切なくもある

バルカス、「俺が手に入れられないなら誰の手にも渡らないように、タリアがこの世から消えてしまえばいい」と思っていたのに。タリアが死にそうになって衝撃を受けて、自分のものになったから、もう誰にも見せたくないし、タリアの攻撃も全くダメージ受けてない

バルカスは読心術が使えるけれど、タリアの心だけは聞こえなくて、あの事故の後、睡眠草を使っていた時だけ聞こえたんじゃないか。タリアはエルフの血族で、だから読心術が通じなかったのかな

東部を支配する男を支配する、実質的な主になられることでしょう

天幕を別々に使うわけじゃないよね……? 一緒に使おうよ。巡礼の時も一緒に使ったじゃない

黒褐色の髪・・・双子の髪色が黒褐色なのを考えると、確かにカーンの血を引いているのは間違いない。バルカスとタリア、金髪碧眼の異邦人同士、お互いに支え合いながら東部で幸せな新婚生活を過ごしてね

二人の初対面を読み返すと、バルカスがタリアを抱きかかえていて、乳母がタリアを呼んでもずいぶん後になってタリアを下ろすんだけど、それもゆっくりで。あの時も今も、バルカスはタリアの前ではゆったりしてる

今日のタリアは、それでもトゲトゲしく感情をぶつけなかったから良かった

東部では何になるかって? 賢明で慈愛に満ちた国母になるでしょうね。傷だらけのタリア、よしよし

ドラカンと言えば、あのレムドラゴンの騎士団の先代団長じゃないか
わたしの感想◎バルカスがタリアを気にかけて声をかけてくれる姿に、タリアの言葉も穏やかな返事が増えて、ほっとする。
まとめ
忘れられた野原 あらすじと韓国原作ノベルレビューをまとめました
73話
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